自分だけしないつもりかっ!

…マリッジリング

花ムコ殿は、はっきり言ってやきもち焼き…というか、独占欲が強い。

で、いつも不思議なんだけど、独占欲が強い人って「自分は別」なんだよねぇ。相手は束縛するけど、自分は絶対に束縛されたくない…。
ただ単にワガママなだけって気もするけど。

エンゲージリングの前に、指輪を貰ったことがある。
まだ婚約もしていなかったし、当初私は右手にはめていたけど、花ムコ殿はそれをものすごく不満がって、無理やり左手にはめさせられた。

なんでーっ?だって、(前記のごとく)自分は結婚の「け」の字も出さないくせに、なんで人のことだけは束縛するわけ?

不満だったけどうるさいから言う通りにしていたら、周りにはあれこれ詮索されるし、仕事先でも聞かれるし、本当に結婚間近ならともかく、全くろくなことがない。しばらくして、はめること自体やめてしまいました。

で、結婚指輪。

教会式なので、式のためにも指輪は必要。でも花ムコ殿は「指輪はいらない」と無理なことを言う。
花ムコ殿は、もともと全然指輪をしない人だったけれど、当時は私がお守りにあげた太目の指輪を右手にしていた。
でも、どうやら左手の薬指には、なんとか指輪をしないでいたいらしい。
「指輪って、邪魔なんだよ…この指輪だって、ハンドルを切るとき危ないんだから」
…そりゃあ、指輪が太いからでしょ。普通の細めのものにすればいいじゃない。
「細い指輪はかっこ悪いよ、…それに、結婚指輪って、手錠みたいでさあ…」
…あのなあ、以前私がさせられた指輪のほうが、よーっぽど手錠だって。こんなことを言うくせに、私がしないと怒るんだから、ほんと、手前勝手な…。

とにかく、式には必要なんだから、安物でいいから、なくちゃこまるのっ!

こうしてしばらくの間、敵は何とか手錠を避けようとしていたけれど、式も押し迫ったある日、突然「やっぱり買う」と言い出した。
理由は不明。おそらくは、式のためだけに安物を買うなら、ちゃんとしたものがいいとでも思ったのではないでしょうか。

でも、ここからがまた面倒くさい。
とにかく、普通のデザインではいや!なのだ。
デザインリングっぽい、でもシンプルで邪魔にならないもの、だけど細いのは好きじゃない、etc,etc…

ええい、そんな都合のいいもの、そう簡単に見つかるかっ!

ところが意外なところで見つかった。
なんと、エンゲージでも登場した、○井。

本来はマリッジリングではなく、普通のペアリング向けで、素材も白金だったけれど、デザインは確かに素敵だった。
他もいくつか探したけれど、どうせするなら「○○向き」なんてことにこだわるよりも、気に入ったものがいいよねー、ということで、それに決定。体の大きい花ムコ殿は、指輪もサイズが大きく、即サイズ直し。結婚式の数日前には完成し、当日は無事指輪交換したのでした。

後日談。

花ムコ殿は、指輪を右手にしたり左手にしたりしながらも、ヨメの逆鱗に触れることを恐れ、しばらくの間はしぶしぶ着用。が、どうも皮膚が弱いらしく、左手の方が、皮がむけてきてしまって…
「なんか、皮がむけてきちゃってさあ…ダメなんだよ(^^)」
と、嬉々としてヨメに報告、最近はリビングに置きっぱなし…。
しないのは別にいいけどさ。それなら私がしなくても文句言わないでよね。