- RECEPTION -
花束贈呈
そんなわけで、おかしなテーブルインタビューが終了。すると、すぐさま続くプログラムの準備に移らなければならないわけですが…
もう披露宴もお開き間近。次なるプログラムといえば…そう、花束贈呈です。 介添えさんに連れられ、なんだかよくわからないけど(笑)場所を移動させられる私たち。 この「花束贈呈」というヤツは…私自身はどうしようかなぁーと思ったんですよねぇ。
私の中では、披露宴は「来賓をもてなす場」だと位置付けているわけだけど、花束贈呈は、いわば両親のためのものでしょう?…親子で「ありがとう」とかやっている姿を、なにも人様に見せる必要もないかなぁ…というよりか、何で見せるわけ?って。(他の人の披露宴ではそうは感じないんだけどね…)ウチの親も、「そんなのいらない」というタイプの人たち。まあ、やらなくても問題はないだろうし…。
でも!そこでふと考えた。…私の親はそれでいい。だけど、花ムコ殿のご両親、つまりお義父さんお義母さんはどうだろう…。
姉の場合も弟の場合も、私の家側は「必要ない」と考えた。が、どちらも相手の家のお母さんが「絶対に!!必要よっ」と言ったという話…。お母さんにとっては重要なプログラムなんですねぇ…(もしかして、私の母親は変わってる?)
これは、やはりお義母さんのために、やらざるを得ないだろうなあ…。相談しても「やってもやらなくても、どうでもいいよ」と無責任なことを言う花ムコ殿。う〜っ、この人を当てにしてもしょーがない…。
結局、「やらずにがっかりされるよりは」ということで、プログラムに入れることに決定!…ただし、互いの両親には当日まで内緒ということにして。何かサプライズが欲しかったのよね。双方の両親も、もらえるとわかっていたら、それほど嬉しくもないかなーと思って。
そして、両親への手紙はナシ。お涙頂戴のシーンは、私たちの披露宴には必要ないと思ったから。(…とにかく、そういうのが嫌なんですっ!カユクなっちゃうから!!) 湿っぽい雰囲気にはせずに、明るく花束贈呈がしたかったわけ。
実は、お式の前日、お義母さんが「花束贈呈はないのよねぇ…(ガッカリ)」と花ムコ殿に聞いてきたんだそうな…で、聞かれた花婿殿はといえば、内緒にするという約束だったので、「さあ、俺は知らない」と、ドアホな返事をしたらしいけど(笑)。他にないのかね…。とにかく、それを聞いたときは、プログラムに入れておいてよかったなあと胸をなでおろしました…
そんなわけで、介添えさんに連れられ、お庭の端に移動すると、すでに花束が準備されていた。花束は、母親二人のイメージにあわせ、私の母にはひまわり、お義母さんには鉄砲ユリ(…実はこれ、お義母さんが好きなのを、以前聞いて覚えていたのよね)。その花束を受け取り、重いドレスを引きずって180度方向転換すると、…あれれ…、もう両親がお庭の反対側の端にスタンバイしてるよぉ…しかも、神妙な面持ちで!…そして、ふと気が付くと、ワイワイしていた来賓も、皆一様にシーンと静まり返っている。さらに私たちが体勢を整えると、司会者が「待ってました」とばかり、いかにもなセリフを語りだした。そのセリフに聞き入り、しんみりとする来賓たち。
…うひゃーっ、これって、私の嫌いな「お涙頂戴シーン」そのものじゃないよぉ…勘弁してくれぇ〜!
でもこの時、私以外にも一人、とてもじれったい思いで花束贈呈を迎えていた人がいたのよね。…それは、お義母さん。
なぜかというと… 花束は、よくある相手の母親への贈呈ではなく、これまでの感謝を込めて、それぞれ自分の母親に手渡すことにしたわけ。これは、普段両親にそっけない花ムコ殿からお花をもらったほうが、お義母さんも嬉しいだろうと思ったから。 でも始めに花束を手に持った時点では、私は彼のご両親の前に、彼は私の両親の正面に立っていた。そして、進むコースの途中で交差するという手順(これ、何の意味があったのか、いまだによくわからないんだけど…)。
つまり、お義母さんの正面には、「鉄砲ユリ」を持った花ムコ殿ではなく、「ひまわり」の花を持った私がいた。でもお義母さんは、…そう、鉄砲ユリが好き。お義母さんは、私たちが交差するまでの間ずっと「(ああ〜っ、私、鉄砲ユリがいいのにぃ…!)」と、思っていたんだってぇ…(笑)。
それぞれの思惑が交錯した、おかしな花束贈呈になりましたが、そんなこととは知らない来賓の皆さんは、図らずもそれなりにしんみりとした気分に浸れたみたいです。
式後、お義母さんは「これ、Comanaさんが選んでくれたんでしょ?鉄砲ユリ!うれしいわぁ!!」と、いたくご機嫌でした。よかったよかった…。