完璧な結婚式

結婚してもう1年以上が過ぎ、大変な思いをした式・披露宴の準備も、記憶のなかに埋もれつつあります。(でも自分でHPを読み返すと思い出すんだけど ^^;)
で、ここまでクールダウンした今、当時はあまり考えもしなかったことをあらためて考え直すことがあるわけですが…その中の一つが「結婚式は何のためにするのか」ということ。

そもそも、結婚後にこれを考え出したきっかけは、しばらく前に某掲示板で見た花嫁候補生さんの書き込み。
その女性を、仮にAさんとしましょう。Aさんは厳粛な雰囲気でお式をすることを望んでいるようですが、お兄さんの子どもがちょうどやんちゃな盛り。自分のお式で泣いたり騒いだりは絶対にして欲しくないAさんは、お子さんに列席を見合わせて欲しいとお兄さん夫婦に伝えたものの、お兄さん夫婦は「大丈夫」と平気な顔。家族そろって、しかも前方の親族の席に座るつもりらしい。Aさんは、このお兄さん夫婦が「非常識だ」と憤慨し、なんとか列席を阻止できないものかと相談の書き込みをしてきたわけですが…(どうやらAさんは、自分側でベビーシッターを頼むつもりはない様子)
曰く「一生に一度の式なんだもの、完璧に、自分の思ったとおりにしたいのは当然でしょ?」と…。
実は、これに同意する意見がとてもたくさん集まっていたのですが…

???…なんか、ヘン…
これを読んだ私の頭の中では、クエスチョンマークが飛び交ってしまいました。
”自分が思い描いているような結婚式をしたい、だからうるさい子どもは来て欲しくない…”この花嫁心(?)はなんとなくわかるのですが、でも…なんかヘンじゃないかなあ…?

この違和感の原因がわかるまで、そう時間はかかりませんでした。私は、Aさんが、自分が主役の結婚式を「演じようとしている」のだと感じたのです。

…格式のある教会での厳粛なお式。純白のドレスを身にまとった、美しい花嫁のワタシ。パイプオルガンの調べと、賛美歌が響き渡り、列席者は皆静粛に式の行方を見守っている…とまあこんな感じのイメージが完璧に出来上がり、そして、そこに当てはめられない、もしくはそれを邪魔する人物には、絶対に来て欲しくないと。

結婚式を控えた花嫁さんは、Aさんに限らず、誰でも多かれ少なかれこんな気分に陥ってしまうものではないかと思います。
しかしそれは、式というより「舞台のお芝居」じゃないですか?そして列席者は二人を祝うエキストラ…主役の邪魔をしてはいけない存在。
でも、そもそも、結婚式って何のためにするんでしょうね?花嫁さんが舞台の主役を演じるため????

Aさんは、まさに一生に一度の晴れ舞台に立つ主役気分なのでしょう。まあ、それはいいんです。主役は確かに結婚する二人ですから。
でも、わざわざ列席してくださる人たちに、自分の脇を固める脇役に徹し、主役である自分を満足させる芝居を強要する権利はないですよね?皆さんは、お芝居に参加しに来たのではなく、結婚式に参列しに…お二人の幸せを、生身の人間として祝いに…来たんですから。
中には、子どもを連れてこなければならない事情がある人もいるかもしれませんし、ましてご兄弟なら、花嫁の甥や姪に当たる我が子に、お式の様子を見せたいと思うかもしれません。もちろんこちらに不都合なこともあるかもしれませんが、自分の思い通りの式にしたいから、と、招いた人たちの都合を無視するのはあまりにも傲慢かと…だって、招かれた側には、そこまでして二人を祝う義務なんてないんですから。

それでも、どうしても「思い通りの完璧な式」がしたいなら、あとはお二人だけでお式をするしかないでしょう。

もし「完璧な結婚式」というものがもしあるとしたら、私は「そこに参列した誰もが笑顔になれるお式」だと思います。
子どもが泣いたって、ちょっと間違えたって、そんなことは些細なこと。二人が皆の前で結婚を宣言し、そこにいる人たちが心からの祝福をしてくれれば…結婚式は、それ以上のものでもそれ以下のものでもない、と思うのですが、どうでしょうか。

…まあ、既にお式が済んでしまったからこそいえることかもしれませんね…

※ただ、披露宴で大騒ぎされたり泣きわめかれたりするのは、私もちょっと勘弁して欲しいです…(^_^;) こちらは来賓をもてなす場なので、レストラン同様、他の人の迷惑にならないように、招く側で色々と手配をするべきでしょう、ハイ。

Aug-2000